そういえばスマホ料金の請求額の明細を見たら「ユニバーサルサービス料」っていうよく分からない項目があるんだけど・・・
あー、あの2円とか3円とかのやつね。
意外にスマホ料金の内訳を詳しくチェックしている人っていないのではないでしょうか?
まあ、合計金額を見ていつもとそれほど変わらない金額だったらあまり気にしないという人が多いかもしれませんね。
改めてスマホ料金の明細をじっくり見てみると2円とか3円といった心当たりのない請求額に気付いた人はいませんか? さてこの金額の正体とは?
ユニバーサルサービス料とは?
ユニバーサルサービス制度
加入電話(基本料)又は加入電話に相当する光IP電話、第一種公衆電話(総務省の基準に基づき設置される公衆電話)、緊急通報(110番、118番、119番)は日本全国で提供されるべきサービスとして「ユニバーサルサービス(基礎的電気通信役務)」に位置づけられています。
この「ユニバーサルサービス」は、NTT東日本とNTT西日本が法令に基づいて高コスト地域を含む日本全国で提供する義務を負っていました。
しかし競争事業者の参入により、NTT東西の自助努力だけではユニバーサルサービスの提供を維持することが困難になったため、コストの一部をNTT東西以外の事業者も負担する「ユニバーサルサービス制度」が2002年度に創設されました(2006年度から稼動)。
負担事業者が利用者から徴収
この「ユニバーサルサービス制度」に基づいてユニバーサルサービス支援機関(社団法人電気通信事業者協会)が負担事業者(NTT東西に接続する接続電気通信事業者等)から負担金を徴収しています。
そして負担事業者の多くはその負担金を利用者に求めており、これが請求書の「ユニバーサルサービス料」として記載されているのです。
へ~、そういう仕組みだったのね。
「ユニバーサルサービス制度」ができるまではNTT東西が自己負担でやってたのね。
料金額の決定について
ユニバーサルサービスの赤字分を負担
ところでこの「ユニバーサルサービス料」の金額については以下のようなルールで算出されています。
- NTT東西のユニバーサルサービスの収支が赤字の場合、ユニバーサルサービス制度に基づいて補填を実施。
- 法令で定める算定方法に基づき、サービス毎の補填額を算定。
- 補填額及び支援業務費(支援機関の事務費用など)の合計額を負担事業者が使用する電話番号の総数で割って1電話番号あたりの負担額を算定。
つまりユニバーサルサービスを維持するために赤字になった分を利用者1人1人が負担するっていうことね。
モバイルWiFiルーターも対象
「ユニバーサルサービス料」の徴収対象になっているのはスマホをはじめとした携帯電話や固定電話だけではなくモバイルWiFiルーターも含まれています。
実はモバイルWiFiルーターにも1台につき1つの電話番号が付与されているので(当然電話をかけることはできませんが)「ユニバーサルサービス料」が請求されるのです。
モバイルWiFiルーターにも電話番号があったのね。
スマホと同じ回線を使ってるからね。
これまでの料金の推移
これまでの(2006年~2020年)「ユニバーサルサービス料」の推移は以下のようになっています。
年 | 1月~6月 | 7月~12月 |
2007年 | 7円 | 7円 |
2008年 | 6円 | 6円 |
2009年 | 8円 | 8円 |
2010年 | 8円 | 8円 |
2011年 | 7円 | 7円 |
2012年 | 5円 | 3円 |
2013年 | 3円 | 3円 |
2014年 | 3円 | 3円 |
2015年 | 2円 | 2円 |
2016年 | 2円 | 3円 |
2017年 | 2円 | 3円 |
2018年 | 2円 | 2円 |
2019年 | 2円 | 3円 |
2020年 | 2円 | 2円 |
まとめ
緊急通報(110番、118番、119番)のようなサービスが実はこういった仕組みで維持されていたということを初めて知ったという人も多いですよね。
「ユニバーサルサービス料」がなんだか得体の知れない請求項目だと思っていた人も、実はこれには重要な役割があったということが理解いただけたのではないでしょうか。