格安SIMにも実にさまざまな選択肢が増えてきましたが「エキサイトモバイル」という格安SIMをご存知でしょうか。シェア上位にある「Y!mobile」や「UQモバイル」に比べるとあまり知られてないかもしれませんね。
でも「エキサイト(excite)」というポータルサイトの名前なら聞いたことがあるのでは? 実は「エキサイト株式会社」という同じ会社が手掛けているのが「エキサイトモバイル」なのです。
というわけでここでは「エキサイトモバイル」の料金プラン、特徴、メリット・デメリットなどについて詳しく解説したいと思います。
※アイキャッチ画像及びトップ画像は画像はエキサイトモバイル HPより引用
エキサイトモバイルとは?
「エキサイトモバイル(excite モバイル)」はポータルサイト「Excite エキサイト」を運営する「エキサイト株式会社」が手掛ける格安SIM。他にも光コラボレーションである「エキサイト光」などのサービスも提供しています。
ドコモ回線とau回線を使用しているため全国のドコモエリア、及びauエリアに対応。また定額制のプランに加え、使った分だけ料金が請求される従量制のプランを用意するなど柔軟性のある料金プランが魅力です。
ドコモ回線とau回線に対応
「エキサイトモバイル」ではドコモ回線とau回線を使用しています。そのため全国のドコモエリア、auエリアに対応しています。
ドコモ回線でもau回線でも利用料金は同じですが、利用可能端末やデータ通信速度などが異なってきます。両者の違いの詳細は以下の通り。
ドコモ回線 | au回線 | |
利用可能エリア | ドコモのLTE/3G(FOMA) サービスエリア |
auの4G LTE サービスエリア |
利用可能端末 | NTTドコモ端末 SIMフリー端末 SIMロック解除済端末 |
SIMロック解除済au端末 (au VoLTE対応) SIMフリー端末 |
高速データ通信速度 | 下り最大1,288Mbps 上り最大131.3Mbps |
下り最大958Mbps 上り最大112.5Mbps |
高速データ通信時の 速度制限 |
制限なし | 制限あり(※1) |
初期PINコード | 0000 | 1234 |
留守番電話 (音声通話オプション) |
録音可能件数:3分×20件 保存期間:72時間 |
録音可能件数:3分×99件 保存期間:1週間 |
迷惑電話対策 (音声通話オプション) |
あり 申込不要(無料) |
なし |
SMS送信料金 (海外への送信) |
50円~500円/回 (不課税) |
100円~1,000円/回 (不課税) |
SMS送受信の仕様 | 全角70文字 (半角英数字160文字) 以内の場合200回未満 |
最大200回 |
※1 3日間のデータ通信量(高速データ通信と低速データ通信の合計)が6GBを超えた場合、通信速度を制限する場合がある。また、速度制限下においても高速データ通信設定がONの場合は高速データ通信量を消費する。制限期間は3日間の累計通信量が6GB未満になるまで。
ここで注意しておきたいのは「利用可能端末」と「高速データ通信時の速度制限」の2つだね。
格安SIMでは利用している回線に対応したキャリアの端末であればSIMロック解除しなくても使用できる、という認識が一般的です。
※例えばソフトバンク回線ならソフトバンクのスマホはSIMロック解除なしでも使える、など。
しかし「エキサイトモバイル」のau回線を使用する場合はauの端末であってもSIMロック解除が必要です。
ドコモ回線だったらドコモのスマホをSIMロック解除しなくても使えるのよね。
そう。au回線を選んだ場合はなぜかauのスマホでもSIMロック解除しないといけないのよ。
また「高速データ通信時の速度制限」について、ドコモ回線の場合は特に制限はありませんが、au回線の場合は3日間のデータ通信量(高速データ通信と低速データ通信の合計)が6GBを超えると通信速度を制限される可能性があります。
au回線はちょっとデメリットが多いね。
まあ3日で6GBだからムチャな使い方しなかったら大丈夫だけどね。
料金プランについて
「エキサイトモバイル」には料金プランとして「でんわパックプラン」「最適料金プラン」「定額プラン」の3つが用意されています。
エキサイトモバイルの料金プラン
- でんわパックプラン(音声通話+データ通信)
- 最適料金プラン(データ通信)
- 定額プラン(データ通信)
でんわパックプラン
「でんわパックプラン」はデータ通信と音声通話がセットになったプランです。
ほとんどの人は音声通話付きのプランを探してると思うので選ぶとしたらこの「でんわパックプラン」じゃないかな。
電話でも使うしインターネットも利用するっていう場合は「でんわパックプラン」を選べばいいのね。
そうね。それから「でんわパックプラン」の中にも大きく分けて2種類のプランがあるのよ。
「でんわパックプラン」には利用料固定の「S」「M」「L」とデータ通信量によって利用料が変動する「従量」があります。
利用料固定の「S」「M」「L」の詳細はこちら。
◉でんわパックプラン S、M、Lについて
S | M | L | |
データ容量 | 5GB | 15GB | 35GB |
無料通話 | 3分 | 5分 | なし |
月額料金 | 2,650円 | 3,880円 | 6,980円 |
5GB、15GB、35GBってちょっと珍しいデータ容量だよね。
うーん、そうね。他との比較が難しいけど料金はやや高めかな。ただし無料通話が付いてるからそこを考慮すると妥当なところじゃないかな。
こちらは「でんわパックプラン 従量」の詳細。ご覧のように使用したデータ通信量によって月額料金が変動します。
◉でんわパックプラン 従量について
従量 | ||
データ容量 | 0~10GB | |
無料通話 | 10分 | |
月額料金 | 低速通信のみ | 2,090円 |
~3GB未満 | 2,530円 | |
~6GB未満 | 3,135円 | |
~10GB未満 | 3,795円 |
「高速通信」と「低速通信」っていうのがあるんだけど「低速通信」だと従量の対象としてカウントされないのよ。例えばずっと「低速通信」ならいくら使っても2,090円。
へー、そうなんだ。
ただし低速通信は通信速度が最大200Kbpsだからずっと使うにはちょっとストレスがあるけどね。
無料通話が10分っていうのも嬉しいね!
毎月のデータ通信量がだいたい同じなら「S」「M」「L」を選べばいいけど、月によって大きなばらつきがあるなら従量を選ぶといいかもね。
最適料金プラン
「最適料金プラン」は音声通話が付かないデータ通信のみ可能なプランです。
「高速データ通信」のデータ通信量に応じて毎月の料金が決まります。かなり細かく料金設定されているのでムダな支出を抑えることができます。
データ通信量 | 1枚コース | 3枚コース |
低速通信のみ | 500円(税抜) | 対象プランなし |
~100MB | 630円(税抜) | 1,050円(税抜) |
~500MB | 630円(税抜) | 1,100円(税抜) |
~1GB | 660円(税抜) | 1,180円(税抜) |
~2GB | 770円(税抜) | 1,340円(税抜) |
~3GB | 880円(税抜) | 1,550円(税抜) |
~4GB | 1,150円(税抜) | 1,780円(税抜) |
~5GB | 1,450円(税抜) | 1,890円(税抜) |
~6GB | 1,600円(税抜) | 1,950円(税抜) |
~7GB | 1,900円(税抜) | 2,100円(税抜) |
~8GB | 2,120円(税抜) | 2,190円(税抜) |
~9GB | 2,200円(税抜) | 2,380円(税抜) |
~10GB | 2,380円(税抜) | 2,540円(税抜) |
~11GB | 対象プランなし | 2,830円(税抜) |
~12GB | 対象プランなし | 3,100円(税抜) |
~13GB | 対象プランなし | 3,450円(税抜) |
~14GB | 対象プランなし | 3,790円(税抜) |
~15GB | 対象プランなし | 2,980円(税抜) |
「最適料金プラン」は「1枚コース」「3枚コース」を選ぶことができるんだよ。
「最適料金プラン」で「3枚コース」を選ぶとSIMカードを3枚利用することができます。その場合、3枚のSIMカード全てのデータ通信量の合計値に応じて月額料金が決定されます。
1人で複数の端末を使ったり、3人で使ったりできるってことね。
定額プラン
「定額プラン」も「最適料金プラン」と同様に音声通話が付かないデータ通信のみ可能なプランです。
「定額プラン」は月に使用できる「高速データ通信量」をあらかじめ決めておくことで毎月定額で利用できるプランです。使い切れなかったデータ量は翌月に繰り越すことが。
データ通信量 | 1枚コース | 3枚コース |
0MB | 650円(税抜) | 1,100円(税抜) |
1GB | 670円(税抜) | 1,260円(税抜) |
2GB | 770円(税抜) | 1,450円(税抜) |
3GB | 900円(税抜) | 1,680円(税抜) |
4GB | 1,170円(税抜) | 1,980円(税抜) |
9GB | 2,250円(税抜) | 2,460円(税抜) |
20GB | 3,980円(税抜) | 4,480円(税抜) |
30GB | 5,980円(税抜) | 6,580円(税抜) |
40GB | 7,980円(税抜) | 8,580円(税抜) |
50GB | 10,180円(税抜) | 10,680円(税抜) |
「定額プラン」でも「1枚コース」「3枚コース」を選ぶことができるんだね。
そう。「定額プラン」で「3枚コース」を選んだ場合は「高速データ通信量」を3枚で分け合うことになるよ。
通信速度制限と低速データ通信
データ通信を利用していてある条件に引っかかってしまうと通信速度制限が課されたり、低速データ通信(通信速度最大200Kbps)に切り替わることがあります。
これは格安SIMではよくある仕組みだよね。
格安SIMだけじゃなくて大手通信キャリアでもそうだよ。
低速データ通信に切り替わる条件
「エキサイトモバイル」では「高速データ通信」から「低速データ通信」に切り替わる条件は以下のようになっています。
- 高速データ通信量が契約プラン・コースの上限に達したとき。
- 高速データ通信設定がOFFのとき。
自分で高速データ通信のON/OFFの設定をすることもできるのね。
高速データ通信のON/OFFは「エキサイトモバイルマイページ」から切り替えることができるよ。
通信速度制限が課される条件
「エキサイトモバイル」では通信速度制限が課される条件は以下のようになっています。
※ただし必ずしも課されるというわけではない。
ドコモ回線の場合
- 3日あたりの低速データ通信量が366MBを超えた場合。
au回線の場合(でんわパックプランのみ)
- 3日間の通信量(高速データ通信と低速データ通信の合計)が6GBを超えた場合。
- 3日あたりの低速データ通信量が366MBを超えた場合。
ドコモ回線だと高速データ通信は制限にかからないのか・・・
うん。au回線の場合はちょっと注意が必要だね。
それから速度制限がかかってても高速データ通信設定をONにしてたら高速データ通信量が消費されてしまうよ!
じゃあ速度制限がかかったら高速データ通信設定はOFFにした方がいいってことね。
通話料・通話オプション
エキモバでんわ適用で国内通話料半額
「エキサイトモバイル」の「でんわパックプラン」を契約すると「エキモバでんわ」というサービスが自動付帯されます。
これにより通常22円/30秒の国内通話が半額の11円/30秒で利用することができます。また国際通話料(日本⇒海外※)も10円/30秒となります。
※32ヶ国一律10円/30秒(非課税)
通話種別 | 通常時 | エキモバでんわ適用時 |
国内通話 | 22円 / 30秒 | 11円 / 30秒 |
国際通話 | ※1 | 10円 / 30秒(※2) |
※1 地域により異なる
※2 対象32ヶ国
「エキモバでんわ」を適用するには発信する際に下記の「0037ダイヤラー」アプリを使うと便利です。
0037ダイヤラー
Rakuten Communications Corp.無料posted withアプリーチ
アプリといってもIP電話じゃなくて電話回線を使ってるから音質は普通に電話するときと変わらないよ。
国際電話(日本⇒海外)も安くなるのね。
アプリを使わない場合でも相手先電話番号の前に「0037692」をつけて発信(※)することで「エキモバでんわ」が適用されます。
※ 0037692 + 相手先電話番号
定額通話オプション
「エキサイトモバイル」には定額の通話オプションとして「3分かけ放題X」が用意されています。
「3分かけ放題X」について
■月額基本料:759円
■通話料
- 3分以内の国内通話は無料。
- 3分を超過する国内通話で同月内の超過分合計最大10分までの通話料は無料。
最低利用期間と解約事務手数料
スマホの契約をするときに気になるのが最低○○年間は使わなきゃいけないっていう決まりなんだよね。その期間内に解約すると違約金みたいなのを取られちゃったりとか。
「○年縛り」みたいなやつね。最近は廃止してる格安SIMが多いんだけどエキサイトモバイルには最低利用期間と解約事務手数料があるので頭に入れておいてね。
エキサイトモバイルでは「でんわパックプラン」の場合、最低利用期間と解約事務手数料が発生します。
◉最低利用期間について
最低利用期間は利用開始日から12ヶ月後の月末日までとなっています。
(例)2020年4月15日に利用開始した場合
2020年4月15日~2021年4月30日が最低利用期間となる。
ただし12ヶ月経った後に契約期間の自動更新はないよ。
つまり最低利用期間を過ぎたらいつ解約しても解約事務手数料は発生しないってことね。
◉解約事務手数料について
最低利用期間内に以下の手続きを行うと解約事務手数料として10,450円が請求されます。
- エキサイトモバイルの解約
- MNP転出
- SIMの削除(音声通話機能付きSIMのみ)
- データ通信専用SIM/SMS機能付きSIMへの種類変更(音声通話機能付きSIMのみ)
データ容量の繰越について
格安SIMではその月に使い切れなかったデータ容量は翌月に繰り越すことができる場合があるのですが、エキサイトモバイルではデータ容量の繰り越しについては以下のような仕組みになっています。
プラン | データ容量繰越し |
でんわパックプラン | 繰越しなし |
最適料金プラン | 繰越しなし |
定額プラン | 翌月に繰越し |
「でんわパックプラン」だとデータ繰越しできないんだね。
うーん、これはちょっと残念ね。
エキサイトモバイルのメリット・デメリット
「エキサイトモバイル」のメリット・デメリットをまとめてみました。デメリットがそれほど気にならないのであれば選んでみるのもよいと思います。
●エキサイトモバイルのメリット
- ドコモ、auの回線が選べる。
- 従量制のプランがある。
- 無料通話(※)を含むプランがある。
※無料通話は3分、5分、10分。 - 「0037ダイヤラー」アプリを使うと国内通話料が半額になる。
- 「最適料金プラン」「定額プラン」には「3枚コース」がある。
●エキサイトモバイルのデメリット
- 月額料金がやや高い。
- 最低利用期間と解約事務手数料がある。
- au回線の場合はauのスマホであってもSIMロック解除が必要。
- au回線の場合は速度制限がある。
- 低速データ通信でも速度制限の対象になる。
- 音声通話機能付きSIMの場合データ容量の繰越しができない。
従量制のプランは柔軟性があってちょっと面白そうだよね。データ通信専用SIMだとかなり細かく料金が設定されてるからね。
au回線だとドコモ回線に比べて制約があったり、最低利用期間とか解約事務手数料があったりするのはちょっと注意が必要かな。