ソフトバンクは2021年5月6日、楽天モバイルと楽天モバイル元社員(2021年1月12日、営業秘密情報を不正に持ち出した疑いで逮捕)に対して民事訴訟を東京地方裁判所へ提起したと発表した。
楽天モバイルは、ソフトバンク株式会社の営業秘密を業務に利用していたという事実は確認されていないとしている。
※アイキャッチ画像及びトップ画像はソフトバンク HPより引用
訴訟の内容について
ソフトバンクは2021年5月6日(木)、楽天モバイルと楽天モバイル元社員に対して民事訴訟を東京地方裁判所へ提起したと発表。
ソフトバンク株式会社(以下「当社」)は本日、楽天モバイル株式会社(以下「楽天モバイル」)および楽天モバイル元社員に対し、同社員が当社を退職時に当社から持ち出した営業秘密の利用停止および廃棄等、ならびに約1,000億円の損害賠償請求権の一部として10億円の支払い等を求める民事訴訟を東京地方裁判所へ提起しましたのでお知らせします。なお、請求額については、今後の審理の状況に応じて拡張することがあります。
ソフトバンク プレスリリースより引用
楽天モバイルでは2021年1月12日(火)、同社へ転職したソフトバンク元社員が営業秘密情報を不正に持ち出した疑いで逮捕されている。
ソフトバンクは訴訟に先立ち、東京地方裁判所に対して以下の申し立てを実施。
- 楽天モバイルに対する証拠保全申立て(2020年11月27日付)
- 楽天モバイルに対するソフトバンクから持ち出した営業秘密の利用停止(2020年12月10日付)
- 楽天モバイル元社員の資産を対象として仮差押命令申立て(2021年1月15日付)
- 楽天モバイル元社員に対するソフトバンクから持ち出した営業秘密の利用停止(2021年2月8日付)
ソフトバンクによると楽天モバイルは下記のように主張しているとのこと。
当社は、当社が営業秘密として上記手続において証拠保全を求めていた電子ファイルが、楽天モバイルが業務上利用するサーバー内に保存され、かつ、他の楽天モバイル社員に対して開示されていた事実を確認しています。なお、楽天モバイルは、これらの電子ファイルについて裁判所および当社に提出後、全て廃棄したと主張しています。
ソフトバンク プレスリリースより引用
これによりソフトバンクは不正競争防止法に基づき下記の請求を行うとしている。
- 楽天モバイルおよび楽天モバイル元社員に対する損害賠償請求(不正競争防止法第4条)
- 楽天モバイルの不正競争により建設された基地局の使用差止請求(同法3条1項)および廃棄請求(同法3条2項)
- 楽天モバイル元社員が当社から持ち出した電子ファイル等の使用・開示差止請求(同法3条1項)および廃棄請求(同法3条2項)
なお楽天モバイルはこの件について下記の声明を発表している。
本日、ソフトバンク株式会社より楽天モバイル株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:山田 善久)に対して、訴訟を提起したことが公表されました。本件について当社では社内調査を実施してきておりますが、ソフトバンク株式会社の営業秘密を当社業務に利用していたという事実は確認されておりません。当社では訴状の送達を受け次第、内容を精査の上、裁判において当社の正当性を主張してまいります。
楽天グループ株式会社HPより引用