大手三大通信キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)が展開するオンライン専用ブランド「ahamo」「povo」「LINEMO(ラインモ)」。
新規契約、乗り換え(MNP)など申し込みの手続きや、利用者に対するサポートを基本的にオンラインで行うことによって格安料金での提供を実現しています。
各ブランドのサービス内容を詳しく知りたい! という人も多いかと思いますので、ここではUQモバイルの「くりこしプラン +5G」とauの「povo2.0」についていろいろと比べてみたいと思います。
それぞれの基本情報
まずはUQモバイルの「くりこしプラン +5G(S、M、L)」、auの「povo2.0」それぞれのデータ容量や月額料金といった基本的な情報をみてみましょう。
まずはUQモバイルの「くりこしプラン +5G」だよ。
■UQモバイル(くりこしプラン +5G)
S | M | L | |
データ容量 | 3GB | 15GB | 25GB |
月額料金 | 1,628円 | 2,728円 | 3,828円 |
続いて「povo2.0」なんだけど・・・ ん? これはどういうこと?
■povo2.0
povo2.0 | |
データ容量 | 0GB |
月額料金 | 0円 |
povo2.0はちょっと特殊なんだよね。
povo2.0はベースプランが「データ容量0GB」「0円」。つまり何もない状態がベースになっています。ここからユーザーは有料のトッピングを購入してカスタマイズすることになるのです。
トッピングには4種類あり、専用のアプリ(povo2.0アプリ)から購入することができます。
トッピング
- データトッピング
- コンテンツトッピング
- 通話トッピング
- サポートトッピング
■データトッピング
データ容量 | 料金 | 期間 | |
データ使い放題 | – | 330円 | 24時間 |
データ追加 | 1GB | 390円 | 7日間 |
データ追加 | 3GB | 990円 | 30日間 |
データ追加 | 20GB | 2,700円 | 30日間 |
データ追加 | 60GB | 6,490円 | 90日間 |
データ追加 | 150GB | 12,980円 | 180日間 |
■コンテンツトッピング
料金 | 期間 | |
DAZN使い放題パック | 760円 | 7日間 |
smash.使い放題パック | 220円 | 24時間 |
■通話トッピング
料金 | |
5分以内通話かけ放題 | 550円/月 |
通話かけ放題 | 1,650円/月 |
■サポートトッピング
料金 | |
スマホ故障サポート | 830円/月 |
へ~、なるほどねー。他のブランドとはちょっと仕組みが違うんだ。
うん。povo2.0はプリペイドSIMにちょっと似てる感じだよね。
料金、通信速度制限の比較
povo2.0のシステムがちょっと特殊なので、UQモバイルの「くりこしプラン +5G」と比較するのが難しいのですが、データトッピングの3GBと20GBがちょうど有効期間が30日間なので、これらを参考に比較してみたいと思います。
povo2.0には「くりこしプラン +5G」みたいに契約が1ヶ月単位っていう概念が無いんだよね。
あー、そうか。月額料金っていう考え方も無いのか・・・
うん。だから有効期間が30日間のデータトッピングで比較するのが分かりやすいね。
「くりこしプランS +5G」と「データ追加 3GB」
先ずはUQモバイルの「くりこしプランS +5G」とpovo2.0のデータトッピング「データ追加 3GB」を比較してみましょう。
くりこしプラン +5G | povo2.0 データ追加 3GB |
|
S | ||
データ容量 | 3GB | 3GB |
料金 | 1,628円 | 990円 |
容量超過時 | 最大300Kbps | 最大128kbps |
■月額料金(povo2.0は30日間)
うーん、これはpovo2.0の方が断然安いね。同じデータ容量で638円も違うのか・・・
そうだね。単純に料金だけを比較するとpovo2.0の方に軍配が上がることになるね。
■データ容量超過時の通信速度
「くりこしプランS +5G」は月間のデータ通信量が規定のデータ容量を超過した際の通信速度は最大300Kbpsに、povo2.0の「データ追加 3GB」は全てのデータ容量を使い切ると通信速度が最大128kbpsに制限されます。
povo2.0は基本的にデータ容量0GBの状態では通信速度が最大128kbpsなんだ。
なるほど。データトッピングを購入することで高速通信ができるようになるってことか。
そうだね。でもデータ容量の残量が無くなったら速度制限されるっていう点では他のブランドと変わりはないよ。
「くりこしプランS +5G」は最大300Kbpsか。povo2.0よりはいいけど、それでもちょっと厳しいねぇ・・・
確かにね。そういう意味では「繰り越し」のできるUQモバイルの方がちょっと有利だよね。「繰り越し」については後述するよ。
「くりこしプランM、L +5G」と「データ追加 20GB」
続いてUQモバイルの「くりこしプランM +5G」「くりこしプランL +5G」とpovo2.0のデータトッピング「データ追加 20GB」を比較してみます。
くりこしプラン +5G | povo2.0 データ追加 20GB |
||
M | L | ||
データ容量 | 15GB | 25GB | 20GB |
料金 | 2,728円 | 3,828円 | 2,700円 |
容量超過時 | 最大1Mbps | 最大1Mbps | 最大128kbps |
■月額料金(povo2.0は30日間)
データ容量が5GB少ない「くりこしプランM +5G」と比べてもpovo2.0の方が安いんだからこれも圧勝じゃないかな。
確かに料金の面ではpovo2.0の方が明らかに割安だね。ただし、他のサービスも含めて見てみるとまた違った印象になるから、それはこの後の章で解説するよ。
■データ容量超過時の通信速度
「くりこしプランM +5G」「くりこしプランL +5G」は月間のデータ通信量が規定のデータ容量を超過した場合、以降のデータ通信は通信速度が最大1Mbpsとなります。
一方、povo2.0は「データ追加 20GB」の全てのデータ容量を使い切ると通信速度が最大128kbpsに制限されます。
povo2.0はトッピングの種類に関係なくデータ容量が0GBの状態では通信速度が最大128kbps。
「くりこしプランS +5G」は最大300Kbpsだったけど、こっちは最大1Mbpsなんだね。
通信速度を制限されてるとはいえ最大1Mbpsならわりと快適だよ。TwitterやFacebookみたいなSNSだとじゅうぶん使うことができるよ。
これだったらデータ容量を使い切っても、そんなに慌ててチャージする必要がないよね。
うん。それにUQモバイルなら節約モードでも最大1Mbpsだからさらに便利だよ。これも後で説明するよ。
その他の項目を比較
月額料金、データ容量超過時の通信速度制限といった内容以外の、料金プランやトッピングに依らない共通の項目についても比較してみましょう。
くりこしプラン +5G | povo2.0 | |
無料通話 | なし | なし |
繰り越し | あり | なし |
節約モード | あり | なし |
最低利用期間 | なし | なし |
契約解除料 | なし | なし |
5G対応 | あり | あり |
チャージ | 1,100/1GB | 390円/1GB |
テザリング | あり | あり |
国際ローミングサービス | あり | 予定 |
無料通話
「◯◯分以内の通話は無料」といった無料通話のサービスはUQモバイル、povo2.0いずれにもありません。
通話料はどっちも電話した分だけ必要ってことか。
うん。UQモバイルもpovo2.0も有料オプションがあるから、よく電話をかける人はオプションを付けるといいかもね。
繰り越し
UQモバイルの「くりこしプラン +5G」では当月使い切れなかったデータ容量を翌月に繰り越すことができます。
一方、povo2.0は月毎の契約という概念が無い為、データ容量を繰り越すということはできません。有効期限を過ぎるとデータ容量は消滅します。
povo2.0には「契約は1ヶ月単位」みたいな概念が無いんだから当然「繰り越し」っていう考え方も無いわけだよね。
そうだね。トッピングを購入して、データ容量を使い切ったらまたトッピングを買い足す、っていう使い方だね。
節約モード
UQモバイルの「くりこしプラン +5G」では「高速モード(通常のデータ通信)」とデータ通信量が一切発生しない「節約モード」を自由に切り替えることができます。
「節約モード」の状態では「くりこしプランS +5G」が最大300Kbps、「くりこしプランM +5G」「くりこしプランL +5G」は最大1Mbpsでのデータ通信となり、データ容量を消費することはありません。
くりこしプラン +5G | |||
S | M | L | |
通信速度 | 最大300Kbps | 最大1Mbps | 最大1Mbps |
一方でpovo2.0には「節約モード」のように通信速度を切り替える機能はなく、データトッピングが有効である状態(データ容量が残っている状態)では常に高速のデータ通信となります。
「くりこしプランM +5G」で「節約モード」を利用した場合、通信速度は最大1Mbpsとなります。これはSNSやネット検索など一般的なデータ通信であればそれほどストレス利用することができます。
「くりこしプラン +5G」のMとLではこれもかなり便利な機能だよ。最大1MbpsならSNSなんかは節約モードの状態でもそれほどストレスなく使えるからね。
ムダなデータ通信を控えてデータ容量を温存できるってことだね。
そういうこと。データ容量を温存できれば繰り越しができるUQモバイルには有利になるわけだよ。
確かにそうだよね。
それから、これは「くりこしプランM +5G」では特に有効な機能なんだよ。
そうなの? MでもLでも同じじゃないの?
確かに機能としては同じなんだけどね。詳しくはこちらの記事を参考にしてね。
つまり日常的に「節約モード」を使ってればデータ容量がそれほど減らない。すると繰り越すデータ容量が増える。その結果毎月ほぼ倍の量の30GBが使えるってことになるんだよ。
なるほどー。
一般的な使い方をしてる人ならたぶん月に30GBあれば余裕だと思うよ。そうすると「LじゃなくてMでじゅうぶんだよね」ってことになるよ。
確かに、WiFiのない環境で高画質の動画を長時間観たりすることでもない限りそんなに大量のデータ通信量を使うことはないかもね。
最低利用期間・契約解除料
UQモバイルの「くりこしプラン +5G」、povo2.0ともに「最低利用期間」「契約解除料」といった、いわゆる「縛り」はありません。
スマホの契約では「◯年以内に解約した場合、契約解除料として~」なんていう「縛り」が付く場合があるんだけどUQモバイル、povo2.0にはそういった制約はないから安心だよ。
ということは、いつでも好きなときに解約や乗り換えができるってことだよね。
そう。スマホの契約では、最近はもうどこもそういう方向になってるよね。
店頭サポート
UQモバイルは全国の「UQスポット(UQ専売ショップ)」「au Style」「au ショップ(一部店舗を除く)」でサポートを受けることが可能です。一方、povo2.0はオンライン専門のブランドなので店頭でのサポートはありません。
まあUQモバイルもわざわざ店舗に行くことはそんなに無いとは思うけど、それでも対応してくれるっていうのはいざという時には助かるかも。
お年寄りにとっては実店舗でスタッフが対応してくれるのはありがたいだろうね。
そうだね。そのあたりのサービスの違いが料金の差に出てるんじゃないかな。
5G対応
「くりこしプラン +5G」、povo2.0ともに5Gに対応しています。
5G対応はもう当たり前って感じだよね。
もちろん5Gエリア内であることと、5G対応のスマホを使ってるって前提だけどね。
チャージ
「くりこしプラン +5G」において追加のデータチャージを行う場合の料金は以下の通りです。
■「くりこしプラン +5G」のデータチャージ
データ容量 | 料金 |
0.5GB | 605円 |
1GB | 1,100円 |
3GB | 3,300円 |
5GB | 5,500円 |
一方、povo2.0にはデータチャージという概念は無く、データトッピングを購入することになります。データトッピングがそのままデータチャージになるというイメージでよいかと思います。
■povo2.0のデータチャージ
データ容量 | 料金 | 期間 | |
データ使い放題 | – | 330円 | 24時間 |
データ追加 | 1GB | 390円 | 7日間 |
データ追加 | 3GB | 990円 | 30日間 |
データ追加 | 20GB | 2,700円 | 30日間 |
データ追加 | 60GB | 6,490円 | 90日間 |
データ追加 | 150GB | 12,980円 | 180日間 |
「くりこしプラン +5G」のデータチャージって、これちょっと高くない?
そうなんだよ。ちょっとコスパが悪んだよね。
例えば1GBと3GBで比べると、1GBが1,100円と390円。3GBは3,300円と990円だよ。
「くりこしプラン +5G」を使う場合はデータ容量を使い切ってしまわないように注意した方がいいね。
ほんとだよ・・・
あ、それからpovo2.0のデータトッピング1GBって390円で確かに安いんだけど有効期間が7日間しかないから注意してね。
テザリング
「くりこしプラン +5G」、povo2.0ともにテザリングが可能です。
テザリングも出来て当たり前って感じだよね。
まあね。でもデータ容量の少ないプランを使ってる場合はちょっと注意が必要かな。
そうだよねー。間違いなくデータ容量の消費が早まるだろうからね。
そういう意味ではpovo2.0の「データ使い放題 330円」っていうのはかなり使えるよ。24時間限定だけどテザリングなんて一時的なことだからね。
国際ローミングサービス
海外でデータ通信をする場合、UQモバイルの「くりこしプラン +5G」はauの国際ローミングサービス「世界データ定額」を利用することができます。
一方povo2.0では現在のところ国際ローミングサービスは利用できませんが、今後提供予定とのことです(2021年12月9日現在)。
海外での通話やデータ通信(国際ローミング)には対応していますか?
povo HP より引用
サービスの提供を予定しています。 開始時期は決まりしだい、「povo2.0ウェブサイト」でご案内します。
やっぱりUQモバイルと同じようにauの国際ローミングサービスを使うことになるのかな?
どうなんだろう。同じように「世界データ定額」になるのか、それとも独自のサービスになるのか、まだちょっと分からないね。
その他の特徴
その他、UQモバイルの「くりこしプラン +5G」とauの「povo2.0」についてそれぞれ下記のような特徴があります。
「くりこしプラン +5G」の特徴
- 有料オプションでキャリアメールが利用可能。
- 「自宅セット割」(条件次第で家族も可)あり。
- 60歳以上は通話オプションが割引き。
povo2.0の特徴
- ベースプランは0円 。
- #ギガ活。
「くりこしプラン +5G」の特徴
■キャリアメールが利用可
UQモバイルはサブブランドとしては珍しく「キャリアメール」が利用可能となる有料オプションを提供しています。
「メールサービス」オプション
■月額料金
220円
■利用アプリ
iPhone:「メッセージ」が利用可能。
Android:「CosmoSia」が利用可能。
まあでも、今はキャリアメールってそんなに使わないよね。
LINEやメッセンジャーアプリを使ってる人がほとんどだろうからな~。
■自宅セット割
UQモバイルはでんきサービス・インターネットサービスと併用することで月額料金が割引きとなる「自宅セット割」を提供しています。
「自宅セット割」は本人のみならずUQモバイルを利用する家族にも適用されます。詳しくは下記記事を参照してください。
■60歳以上は通話オプションが割引き
60歳以上のユーザーは通話オプション「かけ放題(24時間いつでも)」の月額料金1,870円が永年1,100円割引きとなります。
また「メールサービス」オプション(月額料金220円)を無料で利用することができます。
これはけっこう嬉しいかも。
確かに月額料金770円で音声通話がかけ放題になるのは大きいね。
povo2.0の特徴
■ベースプランは0円
本記事の冒頭でも説明しましたが、povo2.0の最大の特徴はベースプランが0円であるということ。ゼロの状態からユーザーが各々自分の使い方に合わせてカスタマイズしていくという仕組みです。
例えば「今日から1ヶ月間はWiFiでしかデータ通信しない」としてトッピングを一切購入しなければ1ヶ月間0円ということもあり得ます。
ただし、180日間以上有料トッピングの購入等がない場合は利用停止・契約解除になっちゃうことがあるので注意してね。
てことは半年に1度くらいはトッピングを購入しなきゃならないってことか。
■#ギガ活
「#ギガ活」もpovo2.0独特のサービス。日常的に利用する店舗でギガ(データ容量)をもらえたり、抽選などでギガ(データ容量)が当たったりなど、データ容量をギフトとして受け取ることができます。
例えば「ローソン」や「すき家」で500円以上購入してau PAYで支払いをすると300MB(3日間)のデータ容量がもらえる、といった具合です。
これは面白そう! 買い物や食事のついでにデータ容量がもらえるっていうのはいいね。
そうだよね。これはぜひ他のブランドでもやって欲しいな~。
まとめ
というわけでUQモバイルの「くりこしプラン +5G」とauの「povo2.0」について比べてみました。
povo2.0の料金プランって他の格安SIMとはちょっと違った仕組みだから比べるのが難しいけど安いのは間違いなさそうだねー。
確かにUQモバイルはpovo2.0に比べるとやや高いんだけど「繰り越し」とか「節約モード」があるのは強みだと思うよ。上手く利用すればかなり便利な料金プランになるはずだよ!
ドコモの「ahamo」とソフトバンクの「LINEMO」についても比較しているので参考にしてください。